一輪車による堆肥撒きが苦行だったので、撒き方を考えてみた

秋にキャベツを植えた際、畑に堆肥4トンを撒きました。

4トン撒くのに16時間掛かりました!!

山積みになった堆肥をショベルを使って一輪車に乗せて、畑に落としていく工程をひたすら繰り返す作業。いやぁ、苦行でした。

稲美町(兵庫県)にあるうちのほ場は粘土質なので、定期的に堆肥を投入していわゆるフカフカの土に改良したい想いがあるのですが……
こんなの何度もやってられねぇ!! ヽ(#`Д´)ノ

ってことで、もっと楽に堆肥を撒くことができないか調べてみました。

1.一輪車とショベルで人足作業(現状)

山積みにされた堆肥をショベルですくい一輪車に載せて、ほ場の至る所に撒いていくやり方です。

一輪車とショベルなので導入コストは5000円程度と安価ですが、あとはひたすら人力が要ります。

やり方はすごく原始的ですが、技術もコストも少なくて済むので、堆肥も1トンくらいなら、このやり方で十分アリでしょう。

ちなみに、堆肥をほ場へ山積みにする際、一箇所に山積みにせず、なるべくほ場の数カ所に分けると移動距離が少なくなり楽です。

堆肥を購入してダンプで運んでもらう場合には、晴れが続いて畑が固くなっている状態であれば、ほ場の中程まで入って落としてくれますと思います。

2.運搬車に堆肥を積んで、前進させながら荷台から撒いていく

農業用の運搬車に堆肥を積んで、荷台から堆肥を少し落とす、運搬車を少し前進させる、を繰り返すやり方です。2人組でやるとやりやすいです。

堆肥は、購入したものを一旦、ほ場の隅に積んでおいて、これを自力で運搬車に載せることになると思います。

運搬車は堆肥のほか、収穫物や残渣を運んだりするのにも役立ちそうです。

3.軽トラに堆肥を積んで、前進させながら荷台から撒いていく

牧場などから堆肥を購入して、それを軽トラに積んでもらいます。
軽トラがほ場に入り、荷台から堆肥を少し落とす、軽トラを少し前進させる、を繰り返すやり方です。2人組でやるとやりやすいです。

注意すべきは、ほ場に軽トラが入った際、スタック(動けなくなる)する恐れがあります。…というか自分もスタック経験ありです。

軽トラに堆肥を満載するとそれなりの重量になるため、ぬかるんだほ場やデコボコしたほ場ではすぐにスタックします。
軽トラは4WDが必須でしょう。2WDではスタック率が高いと思います。

人足作業に比べて労力は減りますがスタックのリスクがあります。

4.軽トラに堆肥散布機を載せる

軽トラック搭載型堆肥散布車 (株式会社イナダの動画をキャプチャー)

上記の軽トラの荷台から人力で堆肥を撒いていく、を自動でやってくれる機械です。
株式会社イナダが販売している軽トラック搭載型堆肥散布車がまさにそれです。
http://www.inadainc.co.jp/seihin/unpan/index.html
価格が書かれていませんが、動力機ですし、たくさん売れるものでも無いので、100万円くらいはすると予想。どうかな。

軽トラでほ場に入るため、スタックには注意ですね。

5.トラクターにフロントローダーを付けて撒く

フロントローダー (クボタのカタログより)

フロントローダーとはトラクター前方に装着するバケットです。

山積みされた堆肥をフロントローダーですくい、ほ場に移動して撒いていくやり方です。
フロントローダーがあれば、堆肥の切り返しも楽々ですね。

フロントローダーで堆肥を撒くには技術が要ります。
トラクターを動かし、同時にフロントローダーを操作することになります。
バケットを軽く揺らしながら、中の堆肥をバケットから少しずつ落とすように操作するには慣れが必要と思います。

という訳で、フロントローダーで堆肥を撒くのはあまり一般的でないようです。
YouTubeで動画を探しましたが、見つけられませんでした。
フロントローダーも高価ですしね。

でも、堆肥の切り返しをしたいとか、土を移動させたいとか、除雪したいとかほかの用途があれば、導入するのもアリと思います。

6.リアバケット堆肥散布機で撒く

積込バケットマニア (株式会社デリカの動画をキャプチャー)

トラクターの後部に取り付けるバケットです。
バケットの底の部分がわずかに開閉して堆肥を落としていく機械です。

株式会社デリカから積込バケットマニアという製品が出ています。
リンク先ページに動いている様子が見られる動画があります。
http://www.delica-kk.co.jp/lineup/61.php

これは約40万円。トラクターも必要です。
トラクターの後方に取り付けるので、ロータリーが付いている場合は付け外しが面倒かも。
でも、やはり散布機ということなので、労力は少ないですし、均一に撒けそうです。

7.マニアスプレッダーで撒く

デリカ車のマニアスプレッダー(Youtubeよりキャプチャー)

このやり方が一番正攻法です。何しろ堆肥散布の専用機なので。

マニアスプレッダーって何?マニア??と思っていましたが、英語で書くと manure spreader となります。
manure(肥料、肥やし)+spread(撒き散らす)+er という意味ですね。
マニアって書いてますけど、manureの発音はマヌゥアに近いようです。

マニアスプレッダーはどうやって散布するのか??
動画で見る方が早いですね。他人様の動画ですがこちら。

トラクターに連結して、堆肥を撒き散らします。
これは楽そう。でも、マニアスプレッダーは100万円くらいします。
トラクターに連結するので長さもあり、ハウス内への散布は不向きな気がします。

8.JAに依頼する

現実的にはこれですかね。
お金を払えば、あとは彼らが何かしらのやり方で堆肥を撒いてくれると思います。詳しくはお近くのJAに聞いてください。

ちなみにうちの管轄であるJA兵庫南では堆肥は販売のみで、散布はやっていないようでした。


いくつか堆肥を撒くやり方を考えてみました。
結局、お金を掛ければ労力は減るし、お金を掛けずに労力と時間でカバーするか、です。

農業ってこの選択をよく迫られますね。